慢性鼻炎の鼻の中は、粘膜が赤く腫れています。さらに炎症が長引くと粘膜が分厚くなり、硬くなることや、逆にぶよぶよした状態になることもあります。原因はいろいろありますが、ひとつには急性鼻炎を繰り返すことにより、慢性化したものと考えられます。副鼻腔炎が原因となって慢性鼻炎になるケースもあり、また鼻中隔湾曲症が関係している場合もあります。その他にアレルギー体質、子供ではアデノイドが原因になることもあります。慢性鼻炎の症状分泌物による場合もありますが、主として鼻粘膜が慢性的に腫れることによって鼻づまりが続きます。この症状は精神的に緊張したりすると悪化しやすくなりますし、鼻中隔湾曲症を伴う場合は、より強い鼻づまりを生じやすくなります。頭痛を訴えることもよくあります。鼻根部から前頭部にかけの頭痛が多く、ズキズキとした痛みや重苦しさを感じます。原因としては副鼻腔疾患が影響している可能性もあります。粘液性や膿状の鼻汁を伴うことが多く、特に鼻汁がのどに流れる後鼻漏は強い不快感を招きます。慢性鼻炎の対処法慢性鼻炎で用いられる対処法としては、主に局所治療になります、慢性ですからすぐには治りませんが、炎症を抑えるための薬を少しずつ使用していきます。よく使われるのが血管収縮薬の点鼻薬です。血管を収縮させて鼻粘膜の腫れを少なくしていきます。この血管収縮薬の点鼻薬は、初期段階で短時間だけ使うなら即効性があり、鼻づまりは改善されますが、あくまでも症状を軽くするためのもので、根本治療ではありません。注意しなければならないのは、長い間使っていると鼻粘膜を厚くして、鼻腔を狭くしてしまい症状を悪化させてしまうことです。こうした悪循環に陥らないためにも、点鼻用血管収縮薬の乱用には注意しなければなりません。鼻づまりがひどいときには、こうした点鼻用血管収縮薬だけでは改善されません。その場合には厚くなった鼻粘膜を切除するという手術が有効です。最近ではレーザーで焼く治療が行われるようになりました。レーザー治療は時間も5〜10分程度で済みますし、痛みや出血が少ないため、通院外来での治療ができます。また保険適用対象にもなっています。慢性鼻炎になると粘膜が薄く硬くなり、委縮を起こすのが委縮性鼻炎といわれるものです。委縮するため鼻腔内が広くなり、乾燥してかさぶたができやすくなります。そこに細菌感染を起こして、悪臭を放つようになるので「臭鼻症(しゅうびしょう)」と呼ばれることもあります。