耳の老化が鬱の始まり!?騒音に気を付けて老化を防ごう!

耳の老化の仕組み

一時期流行った「モスキート音」ってご存知ですか?そのまま訳すと「蚊の音」で、不快に感じるようなかなり耳障りな音ですが、大人には聞こえない音として学生の間で流行しました。これは、高周波数の音が加齢とともに聞き取れなくなることを利用したものです。このように、耳の老化は主に高周波数の音が聞こえなくなることに始まります。さきほどの「モスキート音」は、20代後半になるとほとんど気にならなくなるそうです。日常生活ではほとんど問題はないのですが、早い人は30代後半、平均でも50代で聞こえの衰えを自分でも感じるようになってきます。耳は、外耳・中耳・内耳という3つの部分で構成されています。各器官の働きは以下の通りです。外耳…いわゆる目に見える耳の部分。中耳…音を鼓膜で振動させ、耳小骨という部分で振動を増幅させる。内耳…蝸牛という器官で振動を電気信号にかえ、脳に伝える。この中で老化に直接かかわってくるのが、内耳にある蝸牛の能力の衰えです。脳では、蝸牛を通った電気信号を瞬時に解析して言葉を理解しています。この蝸牛の中にある有毛細胞という睫毛のような細胞が加齢とともに破壊され、聞こえが悪くなってしまうのです。これを「加齢性難聴」といいます。

「加齢性難聴」の症状と対策

「加齢性難聴」は、先ほど述べた高周波数の音が聞こえなくなるのはもちろんのこと、小さな声や遠くの音なども徐々に聞きとりにくくなっていきます。音を認識はするのですが、言葉の聞き取りが不十分になるため、聞き間違いや何度も同じことを聞き返すなどの症状が出てしまうのです。老化だから…とそのまま放っておくと、どんどん聞こえが悪くなってしまいます。また、耳からの刺激に鈍感になることで、脳の老化が進んでしまう可能性があります。人との関わりを避けてしまったり、人の話を聞こうとしなかったりすることで、やる気の低下や最悪、鬱などの病気にもなってしまうかもしれないのです。では、加齢性難聴の進行を遅らせるにはどうすればよいのか。サプリやマッサージなどの方法がありますが、もっとも簡単にできる対策は「騒音を聞かない」というものです。パチンコ店や工事現場、ライブハウスなど、常に大きな音に晒されている環境では、蝸牛の有毛細胞が一気に破壊されていきます。一度破壊されると治らないものなので、できるだけ騒音から離れるようにしましょう。また、補聴器を利用するのも一つの手です。失った聴覚は元には戻らないのですから、自分に合った補聴器を使うことで人とのコミュニケーションに自信を持つことができます。自分だけでは耳の老化に気づかないこともあります。人との会話の際に気づくことがほとんどなので、自分だけでなく周囲の人との会話に違和感があれば、積極的に受診し、適切な処置をするよう勧めましょう。

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