豊かな香りで心を癒やし、集中力も与えてくれる一杯のコーヒー。毎日のデスクワークに欠かせない人も多いと思います。しかし、興奮剤の一種で依存性もあるカフェインが含まれていることから、ヘルシーという印象はないかもしれません。コーヒー習慣をつけるしかし今回この概念を覆すような研究データが発表されました。約10万人から生活習慣などの情報を集め、10年以上の長期にわたり疾病の発症を追跡する研究がされました。どんな生活習慣が病気に関連しているのかが明らかになります。費用と調査期間はかかるが、何を食べ、どんな生活をしたら健康でいられるかを知る手がかりになります。この研究では、40~69歳の男女 9万914人を、平均18.7 年間にわたって追跡しています。コーヒーを飲む習慣と、総死亡率や特定の死因による死亡率との関係を分析しています。対象者はいずれも追跡開始の時点ではがん、脳卒中、虚血性心臓疾患の病歴はなかったといわれています。この中で死亡した人は1万2874人。その死亡率に影響する、さまざまな要因を考慮したうえでデータを分析したところ、男女ともコーヒーの飲用が総死亡リスクを下げていることが分かりました。コーヒーをまったく飲まないグループを基準とすると、1 日当たりカップ 1 杯未満を飲む人は9%、1〜2 杯飲む人は15%、3〜4杯飲む人は24%、5 杯以上飲む人は15%のリスク低下が見られました。つまり、1日あたり3~4杯のグループが最も総死亡率が低いことが分かりました。さらに、心臓病、脳血管疾患、呼吸器疾患という3つの主な死因についても、コーヒーの摂取量が多いほど、死亡リスクが低下することが明らかになりました。また、コーヒー好きにはたばこやお酒好きも多いが、心臓病や呼吸器系の病気、脳卒中で死亡する確率は低いと言われています。これは、コーヒーに豊富な抗酸化物質や生物活性物質が含まれているおかげだと分析しています。しかし、一方で逆の結果が導き出された例もあります。55歳未満では早死にする?55歳未満でコーヒーを1週間に28杯(1日平均4杯)以上飲む人は、飲まない人と比べて死亡率が男性で56%高く、女性では2倍にも上ることが分かったと言います。コーヒーは抗効酸化作用があり、炎症や認知機能にも良い効果があります。だが、高血圧や動脈硬化の要因と示唆されているホモシステインのレベルを上げたりするので留意するべきとし、特に若い人は飲みすぎに気をつけたほうがいいと警告しています。ただ、どのようなメカニズムがコーヒーと寿命に関係するのかは判明しておらず、さらなる研究が必要だと言われています。どんなに身体にいい物でも、過ぎては毒にもなります。今のところは1日3杯までを適量に、リラックスして楽しむのが一番かもしれないですね。