「漢方医学」についてわかりやすく解説をしていきたいと思います。
第四回目の今回は、漢方医学の「五行」についてみていきましょう。
五行論について
「陰陽五行」という言葉がありますが、陰陽論に続いて
五行論についてみていきたいと思います。
自然界に存在するすべてのものを、
「木」「火」「土」「金」「水」の5つに分類しています。
星やカレンダーの曜日などにも似ていますね。
木が燃えることによって火が生まれます。
そして、火で燃えた木は最後には灰や土になります。
土からは金属の鉱脈ができ、金の鉱脈にそって
水も生まれてきます。
水があるところには木が育ちます。
このように自然界にあるすべてのものは
循環しています。
これらは、「相生」の関係と呼ばれます。
「木」「火」「土」「金」「水」がこの順番で循環して、
相手を強めるように、作用しています。
一方、「相克」という他の相手を抑制するような関係もあります。
木は土にぐんぐんと根をはって、
土は水を吸収したり、せき止めたりします。
水は火を消し、火は金属類を溶かします。
金属は木を切り倒すことができます。
このように、「木」「火」「土」「金」「水」の
それぞれが互いに意味を持っています。
五行論から医学へ
このような五行論は、医学へと応用されます。
五行と、体の臓器である「肝、心、卑、肺、腎」の
「五臓」や「六腑」などとも関連させて考えます。
「肝」は、「木」の特性を持つと考えられていたため、
木のように気をめぐらす機能などがあると考えられます。
「心」は、「火」の特性を持つと考えられており、
体全体をあたためる作用があると考えられます。
「脾」は、「土」が持つような、すべてのものを
生化させるような性質があると考えられており、
五臓六腑に栄養を運び、気や血の源となります。
「肺」は、「金」の性質をもち、水を下げて腎をたすけ、
肝の陽気を抑えると考えられています。
「腎」は、「水」の作用を持ち、熱を抑制します。
このように、それぞれが意味を持っており、
それに対応する臓器があります。
季節などにも対応しています。
季節は四季ですが、春夏秋冬に土用が加わります。
「春」は「木」、「夏」は「火」、「土用」は「土」、「秋」は「金」、「冬」は「水」に対応しています。
ですから、上記で述べたすべてを総合すると
それぞれの季節でそれぞれの臓器が対応しています。
「夏」は火の特性を持つので、「心」に注意が必要
などと病気が悪化しやすい季節もわかってきます。
五行説のルーツは古代中国の自然哲学などにありますので、
現代では多少の矛盾が生じている場合もあるようです。
日本の漢方医学では、限られた場合の
応用として使われているようです。
次回は「気・血・水」についてみていきたいと思います。
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