近頃話題の「漢方医学」についてわかりやすく
解説をしていきたいと思います。
まず第三回目の今回は、漢方医学の
「陰陽」についてみていきましょう。
陰陽論について
東洋医学の理論の中には、
「陰陽論」というものがあります。
宇宙、自然、人を統一したものと考えており、
少々難しいのですが、統一体の中には
「陰」と「陽」という二つの概念があり、
これらは互いに対立する関係になったり、
制約しあったりして存在しています。
このような陰陽に基づいている学説のことを、
「陰陽論」と呼びます。
これは古代の中国思想でもあるのですが、例えば
「上下」であったり、「明暗」であったり、
「大小」「外と内」「雨と晴れ」「男女」「動と静」
などもそうです。
非常にたくさんあります。
「昼と夜」などでは、昼が陽となり夜が陰となります。
これらは一日の中でも一定間隔で入れ替わり
うまい具合にバランスが取れています。
体の中の陰陽
このように、「陰陽」というものがあるのですが、
これは外の世界のものだけではありません。
私たちの体の中にも陰陽があります。
たとえば、「背中」は陽、「胸腹」は陰、
そして小腸、胆、胃、大腸、膀胱、三焦などの「六腑」は陽で、
心、肺、肝、脾、腎などの「五臓」は陰となります。
手足や顔など外に面しているようなものは陽、
体内にある臓器などのようなものは、
体の表面に出ているものに対して陰にあたります。
また、上半身は下半身に対して陽、
下半身は上半身に対して陰となります。
陰と陽のバランス
健康なときと病気のとき、ちょっと調子が悪いかな
というようなときなど、みなさんも日によって
さまざまな体調のときがあると思います。
健康なときには、体内の陰陽のバランスが非常によく、
バランスが保たれている状態といえるでしょう。
一方、なんだか体調が悪いと感じるとき、
病気になってしまったときなどは
この陰陽バランスが崩れているのです。
赤ちゃんや子供は、「陽」がとても強く
元気に走り回っているようなことが多いのですが、
年老いていくにしたがって、だんだんと
「陰」にかたむいてきます。
漢方医学では、このようにさまざまな原因で
陰陽のバランスが崩れてしまったときに、
体調不良が起こると考えられています。
「陰」と「陽」どちらかに傾きすぎてしまった場合
それが死につながることも考えられますので
注意が必要です。
健康体になるために、体は季節などに合わせて
ときには発汗する、汗腺を閉じるなどして
バランスを取るためにさまざまな調整をしているのですが、
それがうまくいかないこともあります。
そのような場合に、漢方医学による治療が
体を助けてくれます。
次回は「五行」についてみていきたいと思います。
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