赤ちゃんの「卒乳」の時期は人それぞれですよね。人それぞれというより、子どもや状況によって変わるといった方が良いかもしれません。もうかなり大きくなったから…と早めに卒乳を考える子もいれば、ずっと欲しがるのでまだあげないとなぁと感じる子もいます。また、次の子を妊娠したので断乳を余儀なくされた、という人もいるはず。正しい卒乳時期とはいったいいつ頃なのでしょうか?
6ヶ月で卒乳が基本になっている理由は?
厚生労働省では、食事に移るまでのステップ「離乳食」のタイミングを5〜6ヶ月で推奨しています。そして、出産後すぐに出る「初乳」には、赤ちゃんの成長に大切な栄養がたっぷり詰まっていますが、免疫機能に寄与する栄養がつまった母乳はその後約6ヶ月しか出ません。このことから6ヶ月で卒乳と考えられているとよさそうでしょう。しかし、授乳をすることで赤ちゃんが得るものは栄養だけではありません。授乳は、お母さんと赤ちゃんにとって大切なスキンシップの時間。授乳の際にお母さんのおっぱいからでる「オキシトシン」というホルモンには、赤ちゃんに安心感を与える効果があります。6ヶ月で止めてしまわず、もう少し続けてあげるのが良いでしょう。
実は…
ここまで、いろいろとお話ししましたが卒乳には決まったタイミングは存在しません。家庭や仕事の事情、次の子の妊娠などの理由で断乳するお母さんがたくさんいますが、現在、日本小児科学会が推奨しているのは、なんと4歳までの授乳を続けること。おっぱいを欲しがるうちは、無理して卒乳する必要はないということですね。
次の子を妊娠したら、授乳は辞めるべき?
「授乳は子宮を収縮させるため、流産の可能性がある」とし、断乳するケースが多く見られますが、実際授乳だけでは流産を引き起こすほどの子宮収縮は起こりません。逆に、授乳することでお母さんの精神が安定したり、退治に幸福感を与えるという意見も。心配な場合は医師に相談するのをオススメしますが、基本的には無理な断乳は必要ないと覚えておいてください。
気を付けなければならないことは!
授乳するときは、なるべく注意をそらさず、しっかり赤ちゃんを見つめてあげましょう。最近は、テレビを見ながら、スマホをいじりながら、など「ながら授乳」をする人が多く見られますが、そうすると授乳の際に出るホルモン量が減り、赤ちゃんが十分な愛情を感じられなくなります。「ながら授乳」で育った子供は、ADHD(注意多動性欠陥障害)や自閉症になる確率が高いというデータもあるので、十分に気をつけてあげましょう。授乳を通してのスキンシップは、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても非常に大切です。無理に卒乳、断乳しようとせず、限られた時間を大切に過ごしましょう。