緑内障によって一度ダメージをこうむった視神経は、
残念ながら元に戻すことはできません。
視神経に対応した部分の視野が欠けてしまうことになりますが、
この欠損自体を回復することはできないのです。
そのため緑内障の治療はこれ以上進行させないため、
あるいは欠損が広がらないために行う治療が目的となります。
緑内障の治療方法は3種類
緑内障の治療は、適切な眼圧に戻すことが中心になります。
主な治療法としては
「薬物療法」「レーザー治療」「手術療法」の3種類があります。
薬物療法は、眼圧を下げるための薬を点滴します。
レーザー治療は、目にレーザーを当てて治療する方法で
「レーザー虹彩切開術」と「レーザー線維柱帯形成術」があります。
手術療法としては「線維柱帯切除術」と「線維柱帯切開術」があります。
緑内障の治療の中心は、基本的には薬物療法です。
しかしタイプに応じて組み合わせたりします。
たとえば、原発閉塞隅角緑内障の場合、
レーザー虹彩切開術が第一に選択されますが、
原発解放隅角緑内障の場合は、薬物療法が第一に選択されます。
しかし、効果が十分に得られない場合はレーザー線維柱帯形成術が選択されます。
眼圧を下げるための薬物療法
点眼薬は、房水の産生を抑える作用のある薬と、
房水の排出を促進する症のある薬の2種類があります。
どちらも眼圧を下げる作用が期待できる薬です。
必要なら複数の薬を組み合わせたり、
合剤を用いたりして目標の眼圧まで下げていきます。
点眼薬は、1種類では効果がない場合、
複数の種類を組み合わせることがあります。
しかし、複数の薬を併用すると、点眼と点眼の間は5分以上開ける必要があります。
そこで最近登場したのが、あらかじめ複数の薬を合わせた「合剤」です。
房水の流れをよくするレーザー治療
レーザー治療には「レーザー虹彩切開術」と
「レーザー線維柱帯形成術」の2種類あります。
レーザー虹彩切開術は、レーザーで虹彩を切開し、
房水を排出しやすくする治療法です。
まず前処置として、同行を収縮させる薬を点眼して、隅角を広げておきます。
角膜に濁りやむくみがあるとレーザーが通らないため、
濁りなどを取る処置が必要になるケースもあります。
その後、点眼麻酔を使って、特殊なコンタクトレンズを
角膜に装着してレーザーを照射し、光彩に小さな穴を開けます。
前処置に1~2時間、レーザー照射時間は15~20分程度です、
外来で治療ができます。
レーザー線維柱帯形成術は、線維柱帯の目詰まりを解消して、
房水排出を促します。
レーザー照射時間は5分もかからず、外来で治療が受けられます。
レーザーを当てた時の炎症が治まれば眼圧が下がります。
手術は術後の管理が大切
手術方法には「線維柱帯切除術」と「線維柱帯切開術」があります。
どちらも房水がうまく流れていくように排水路を形成する手術で、
入院する必要があります。
どちらも術後の長い経過の中で、細菌による感染症が起きたり、
白内障が悪化したり、切開した穴がふさがってしまうなどの
トラブルも心配されるので、経過観察は非常に重要になります。
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