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これでわかる!漢方医学第二回「寒熱」「五臓六腑」「証」とは!?

公開日: : 最終更新日:2017/10/29 漢方 ,

「漢方医学」についてわかりやすく解説をしていきたいと思います。

まずは、漢方医学の「寒熱」についてみていきましょう。

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寒熱とは?

「寒熱」と聞くと、「熱」という言葉が入っていますので、

体の「体温」のことかなと考える人もおられるかと思います。

ですが、実はそうではなく、「寒熱」とは病気の性質が「寒」なのか

「熱」なのかと判断する「証(しょう)」のことを表しています。

「寒証」は、寒邪などを受けた時にあらわれます。

手足が冷え寒さを感じることが多くなります。

「寒証」の中には、「表寒」、「裏寒」、「虚寒」、「実寒」があります。

「熱証」は、熱邪などを受けた時にあらわれます。

体は熱さを感じ、できるだけ体を冷やしたくなります。

「熱証」の中には、寒証と同じようにそれぞれ

「表熱」、「裏熱」、「虚熱」、「実熱」があります。

【寒証の風邪と熱証の風邪】

例えば、ひとくちに「風邪」といっても、「寒証」の風邪であれば、

顔色が悪く、ゾクゾクと寒気がし、

手足が冷えて何か温かい飲み物などが飲みたくなるようなものなどがあります。

一方、「熱証」の風邪であれば、顔や体があつくほてり汗が出たり、

38度以上の高熱が出て口が渇き、

何か冷たいものを食べたり飲んだりしたくなるようなものなどがあります。

このように、自覚症状などによって、「熱証」なのか「寒証」なのかを

判断することが漢方医学では大変重要となります。

「寒証」のものは悪寒がするようなものが多いので、重ね着をしたり、

カイロ、暖房、湯たんぽなどを使って体を温めると症状が緩和されたり、

改善することが多いです。

一方、「熱証」のものは自覚症状として熱感がありますので、

頭などを氷枕やぬれタオルなどで冷やしたりして

体の熱を取り除くと症状が緩和したり改善することが多いです。

【寒熱が散在する場合】

「寒熱」は、時には体の中で散在する場合もあります。

たとえば、上半身はあつくてのぼせた感じなのに、下半身は冷えて、

足先などが冷たいような場合もあります。

<熱が上半身にある場合>

「熱」が上半身にある場合には、目の充血や頭痛や頭重、

のどの痛みなどがおこることが多いです。

<熱が下半身にある場合>

「熱」が下半身にある場合には、足全体にむくみがでたり、

便が固くなり便秘気味になることが多いです。

<寒が上半身にある場合>

「寒」が上半身にある場合には、胸がつかえたり、

消化不良をおこしたりすることが多いです。

<寒が下半身にある場合>

「寒」が下半身にある場合には、足が冷え、

腹痛や下痢に悩まされることがあります。

 

また、上半身と下半身などで寒熱が違う場合だけではなく、

体の表面と体の内部で違う場合も考えられます。

このように、漢方医学では同じ病名であっても、体の症状によって証を判断し、

それぞれに対応した治療をおこないます。

次は「五臓」についてみていきたいと思います。

 

漢方医学~五臓とは~

漢方医学の「五臓」についてみていきましょう。

漢方医学では、人の内臓を「五臓」であらわします。

個々の臓器は単独ではたらくのではなく、

それぞれに相互関係を持っていると考えられています。

【五臓とは】

では、「五臓」とはなにを意味するのでしょうか。

漢方医学における「五臓」とは、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」を意味します。

五臓は、「気(き)・血(けつ)・津液(しんえき)」を作り、

貯蔵する働きをしてくれます。

それぞれの臓器には、「肝気」「心気」「脾気」「肺気」「腎気」があります。

これらの生命エネルギーの源である「気」の働きによって、

臓器はおのおのの機能を果たしています。

「肝」「心」「脾」「肺」「腎」はそれぞれ

相互関係を保っていると考えられています。

漢方医学では、その臓器が持っている機能を重要視します。

一方、西洋医学では臓器というと、

「胃」や「心臓」などひとつの内臓だけを意味しますので、違いがありますね。

例えば、漢方医学で「胃」というと、

個々の内臓だけではなく西洋医学よりも少し大きな意味でとらえられています。

食べたものを受けて、消化をして、腸に送り届けるような

「受納」「腐熟」「和降」と呼ばれている三つの機能を表しています。

【五臓の「肝」とは】

では、つづいて五臓の「肝」の働きについてみていきましょう。

「肝」は体全体の気を制御する働きをしています。

そして、「疏泄(そせつ)」もつかさどっています。

疏泄とは精神機能や臓腑の活動をのびやかに円滑に保つことをいい

新陳代謝と同様な意味があります。自律神経系の働きにもよく似ています。

体に送る血の量をうまく調節して感情を安定させるようなはたらきもあります。

【五臓の「心」とは】

五臓の「心」は、「血脈」をつかさどっています。

体にはりめぐらされている血管をつうじて

血液を全身に送るポンプのような働きをしています。

これだけですと西洋医学の心臓と同じようなものなのですが、

もう少し広い意味で考えられています。

「神」という生命を生命たらしめている存在と考えられているものなども

内包しており、精神、思考や意識などをはばひろく統率していると考えられています。

【五臓の「脾」とは】

五臓の「脾」は、胃などの消化や吸収の働きを制御しています。

また、そこで吸収した栄養を全身にめぐらします。

水分の吸収や運搬作業もおこないます。内臓を持ち上げる機能もあります。

次は、「五臓」の「肺」と「腎」や、

「六腑」についてみていきたいと思います。

 

漢方医学~五臓六腑とは~

漢方医学の「五臓六腑」についてみていきましょう。

前回は「五臓」の「肝」「心」「脾」についてご紹介しましたので、

つづいて今回は「五臓」の「肺」と「腎」

そして「六腑」についてみていきたいと思います。

【五臓の「肺」とは】

呼吸をおこない、生命エネルギーの源である「気」をつくる働きがあります。

「津液」の働きなどを調節するのも「肺」の役割です。

「気」や「津液」などを体の上部に持ち上げたり

押し下げるような作用もあります。

【五臓の「腎」とは】

「水」をつかさどります。水分の貯蔵や排せつなどの

代謝の機能をうまく調節してくれる役割があります。

「精」の貯蔵もおこなっており、必要な時に全身に送る役割もしています。

「肺」は生命エネルギーである「気」をつくりますが、

それらを腎の部位まで下げます。

【「六腑」とは】

「六腑」には、「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」「三焦」があります。

これらの主な役割は、食べたり飲んだりしたものを消化吸収し、

栄養分を取り出すことなどです。

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その後、不要な成分を尿や便などとして排せつするところまでおこないます。

<六腑の「胆」とは>

「胆」は胆汁を貯蔵する機能をもっています。

胆汁を出して胃の消化などの機能を助けるはたらきをします。

<六腑の「小腸」とは>

「小腸」は、食べたり飲んだりしたものが胃から入ってきたときに、

栄養になるものと不要なものとを区別し分けます。

栄養になるものは脾におくり、

不要なものは膀胱や大腸におくっていきます。

<六腑の「胃」とは>

「胃」は食べたり飲んだりしたものを受け入れます。

脾の役割をサポートして、助けます。

消化したものは小腸などに送り、消化吸収されます。

<六腑の「大腸」とは>

「大腸」は、小腸から送られてきた不要と判断されたものを受け入れます。

余分な水分は吸収し、便をつくります。その後排せつされます。

<六腑の「膀胱」とは>

体の余計な水分は腎が尿として膀胱へ送るのですが、

「膀胱」は、腎から送られてきた尿をためて排出します。

「膀胱」は尿をためたり、排尿の調節もおこないます。

「腎」は排尿の指示を膀胱におくり、膀胱がひらきます。

<三焦>

「三焦」は、津液の通路です。体の上部からみて、

上焦・中焦・下焦と分けられています。

西洋医学的な臓器に対応するものがないため、

あまり一般的には聞いたことがない言葉かもしれませんが、

津液や、気の通り道のようなものと考えると良いでしょう。

続いて、「証」についてみていきたいと思います。

 

漢方医学~証とは~

漢方医学の「証」についてみていきましょう。

【四診・証とは】

漢方医学では、西洋医学とは違う診断方法があります。

「望診(ぼうしん)」「聞診(ぶんしん)」「問診(もんしん)」

「切診(せっしん)」の四種類の診断方法があり、

これらを総合して「四診」といいます。

これらの四診をもとにして、これまでにご紹介してきた

「陰陽論」や「五行論」などの理論を組み合わせて考えます。

その人の五臓六腑、気血津液、気の陰陽の状態などを判断して

体全体の状態を総合的に判断し、評価する「証(しょう)」が決まります。

「証」が決まれば、おのずと治療法も決定されていきます。

【四診の方法】

四診には「望診(ぼうしん)」「聞診(ぶんしん)」

「問診(もんしん)」「切診(せっしん)」

四種類の診断方法があるということをご紹介しました。

では、実際にどのように診断をするのかを詳しくみていきましょう。

・「望診」

患者さんの状態や動作などを見ることによって、

詳しく観察する診断方法です。

パッと見た体型や患者さんの動作、顔色だけではなく、舌を出してもらって、

舌の形や色、状態などもみます。

分泌物や排泄物などの変化をみることもあります。

・「聞診」

患者さんの声や呼吸音の状態や、話し方、話し声、

咳はどのような音なのかを詳しく聞いておこないます。

「聞く」の「聞」という漢字がついていますから

耳を使うだけのように感じる人もおられるかと思いますが、

実際には、体臭や口臭などのにおいをかいだりして判断することもあります。

・「問診」

西洋医学にもありますので、

聞いたことがあり馴染み深く思う方もいらっしゃると思います。

患者さんが感じている自覚症状(熱や痛み、調子の悪さなど)や、

これまでの病歴、既往歴、家族歴、生活習慣などを質問していきます。

患者さんのさまざまな情報を集める診察です。

・「切診」

実際に患者さんに触れることによっておこなう診察法をいいます。

「腹診」は、実際に患者さんのおなかに触れておこないます。

筋肉がどのように緊張しているのか、

内臓の状態はどうなっているのかなどを触れて確認します。

「脈診」は、患者さんの脈に触れて脈の状態を感じ取ります。

 

このように患者さんを観察したり病状を聞いたりなどする

「四診」をすることによって、

治療にとって大切な「証」が決まり治療法が決まります。

次は、「脳の衰えは腎の衰えから」のテーマです。

 

漢方医学~脳の衰えは腎の衰えから~

脳の衰えなどを漢方医学的にみていきたいと思います。

誰でも、いつまでも若々しく、元気はつらつでいたいものですね。

しかし近頃は、アルツハイマー認知症の方が年々増えてきているようです。

年配の方だけにおこるものとは限らず、

若年性認知症なども増加してきているようですので注意が必要です。

脳血管が老化してしまうことによっておこる「脳血管性認知症」、

脳の神経細胞が変化するなどしておこる「アルツハイマー型認知症」や

「レビー小体型認知症」などがあり、

記憶力や判断能力などに必要な認知機能が何らかの理由で低下し、

日常生活に支障をきたしてしまうことも考えられます。

では、このような脳の衰えはなぜおこるのでしょうか。

漢方医学的にみていきましょう。

【漢方医学でみた脳の衰え】

「腎」は、生命の源とも呼ばれており、

生命の根本的なエネルギーである「腎精」をつかさどっています。

腎に蓄えられている「腎精」は、子供の成長や発育、

またホルモンの分泌や生殖、免疫系の機能などにもかかわりが深いのです。

しかし、この腎精が何らかの原因で不足してしまった場合、

子供ならば発育不良、成人では性機能の減退、そして中高年、

老年期の方々ですと物忘れなどの老化現象の症状がでてくることがあります。

また、漢方医学では、以前に「気血水」の回でご紹介したように、

「気(き)」や「血(けつ)」などの乱れを整え、

脳機能を改善するために漢方薬が使われます。

漢方薬を用いることによって、脳の神経系の衰えも防ぐことが可能です。

【認知症の漢方治療】

認知症に使われる漢方薬はいろいろな種類があります。

個人の体質によって、また前回ご紹介をした「証(しょう)」によっても

選ぶ漢方薬は違ってきます。

そのため、実際に服用するとなると漢方の専門医などの診断が必要です。

今回はわかりやすいように西洋医学の診断名と対応しながら、

良く使われる漢方薬をご紹介したいと思います。

「脳血管性認知症」には、「釣藤散(チョトウサン)」という

漢方薬が使われることがよくあります。

脳の血管を広げて、体全体の血液循環を改善する効果が期待できます。

さらに、会話や表情、記憶力なども向上させる効果も期待できます。

「レビー小体型認知症」には、「抑肝散(ヨクカンサン)」がよく使われ、

幻視などを改善させます。

「アルツハイマー型認知症」には

「加味温胆湯(カミウンタントウ)」がよく使われています。

不眠などにもよく効き、認知機能改善効果が期待できます。

高齢者全般には、「八味地黄丸」が使われることが多いです。

腎の機能を高め、滋養作用が期待できます。

 

最後に

脳の衰えなどと深い関係のある「腎」を養生することによって、

いつまでも若々しい脳を保つ効果が期待できるでしょう。

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