これでわかる!漢方医学 第十回 ~脳の衰えは腎の衰えから~

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第十回目の今回は、脳の衰えなどを漢方医学的に

みていきたいと思います。

誰でも、いつまでも若々しく、元気はつらつでいたいものですね。

しかし近頃は、アルツハイマー認知症の方が

年々増えてきているようです。

年配の方だけにおこるものとは限らず、

若年性認知症なども増加してきているようですので

注意が必要です。

脳血管が老化してしまうことによっておこる

「脳血管性認知症」

脳の神経細胞が変化するなどしておこる

「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」

などがあり、記憶力や判断能力などに必要な

認知機能が何らかの理由で低下し、

日常生活に支障をきたしてしまうことも考えられます。

では、このような脳の衰えはなぜおこるのでしょうか。

漢方医学的にみていきましょう。

漢方医学でみた脳の衰え

「腎」は、生命の源とも呼ばれており、

生命の根本的なエネルギーである「腎精」

をつかさどっています。

腎に蓄えられている「腎精」は、子供の成長や発育

またホルモンの分泌や生殖、免疫系の機能などにも

かかわりが深いのです。

しかし、この腎精が何らかの原因で不足してしまった場合、

子供ならば発育不良、成人では性機能の減退

そして中高年、老年期の方々ですと物忘れなどの

老化現象の症状がでてくることがあります。

また、漢方医学では、以前に「気血水」の回でご紹介したように

「気(き)」や「血(けつ)」などの乱れを整え、

脳機能を改善するために漢方薬が使われます。

漢方薬を用いることによって、脳の神経系の

衰えも防ぐことが可能です。

認知症の漢方治療

認知症に使われる漢方薬はいろいろな種類があります。

個人の体質によって、また前回ご紹介をした

「証(しょう)」によっても選ぶ漢方薬は違ってきます。

そのため、実際に服用するとなると

漢方の専門医などの診断が必要です。

今回はわかりやすいように西洋医学の診断名と対応しながら、

良く使われる漢方薬をご紹介したいと思います。

「脳血管性認知症」には、「釣藤散(チョトウサン)」

とうい漢方薬が使われることがよくあります。

脳の血管を広げて、体全体の血液循環を改善する効果が期待できます。

さらに、会話や表情、記憶力なども向上させる効果も期待できます。

「レビー小体型認知症」には、「抑肝散(ヨクカンサン)」

がよく使われ、幻視などを改善させます。

「アルツハイマー型認知症」には「加味温胆湯(カミウンタントウ)」

がよく使われています。

不眠などにもよく効き、認知機能改善効果が期待できます。

高齢者全般には、「八味地黄丸」が使われることが多いです。

腎の機能を高め、滋養作用が期待できます。

脳の衰えなどと深い関係のある「腎」を

養生することによって、いつまでも

若々しい脳を保つ効果が期待できるでしょう。

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