第八回目の今回は、漢方医学の「五臓六腑」についてみていきましょう。
前回は「五臓」の「肝」「心」「脾」についてご紹介しましたので、
つづいて今回は「五臓」の「肺」と「腎」そして
「六腑」についてみていきたいと思います。
五臓の「肺」とは
呼吸をおこない、生命エネルギーの源である
「気」をつくる働きがあります。
「津液」の働きなどを調節するのも「肺」の役割です。
「気」や「津液」などを体の上部に持ち上げたり
押し下げるような作用もあります。
五臓の「腎」とは
「水」をつかさどります。
水分の貯蔵や排せつなどの代謝の機能を
うまく調節してくれる役割があります。
「精」の貯蔵もおこなっており、必要な時に
全身に送る役割もしています。
「肺」は生命エネルギーである「気」をつくりますが、
それらを腎の部位まで下げます。
「六腑」とは
「六腑」には、「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」「三焦」があります。
これらの主な役割は、食べたり飲んだりしたものを
消化吸収し、栄養分を取り出すことなどです。
その後、不要な成分を尿や便などとして
排せつするところまでおこないます。
<六腑の「胆」とは>
「胆」は胆汁を貯蔵する機能をもっています。
胆汁を出して胃の消化などの機能を
助けるはたらきをします。
<六腑の「小腸」とは>
「小腸」は、食べたり飲んだりしたものが
胃から入ってきたときに、栄養になるものと
不要なものとを区別し分けます。
栄養になるものは脾におくり、不要なものは
膀胱や大腸におくっていきます。
<六腑の「胃」とは>
「胃」は食べたり飲んだりしたものを受け入れます。
脾の役割をサポートして、助けます。
消化したものは小腸などに送り、消化吸収されます。
<六腑の「大腸」とは>
「大腸」は、小腸から送られてきた不要と
判断されたものを受け入れます。
余分な水分は吸収し、便をつくります。
その後排せつされます。
<六腑の「膀胱」とは>
体の余計な水分は腎が尿として膀胱へ送るのですが、
「膀胱」は、腎から送られてきた尿をためて排出します。
「膀胱」は尿をためたり、排尿の調節もおこないます。
「腎」は排尿の指示を膀胱におくり、膀胱がひらきます。
<三焦>
「三焦」は、津液の通路です。体の上部からみて、
上焦・中焦・下焦と分けられています。
西洋医学的な臓器に対応するものがないため、
あまり一般的には聞いたことがない
言葉かもしれませんが、津液や、気の通り道
のようなものと考えると良いでしょう。
次回は、「証」についてみていきたいと思います。
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